心を耕す「PC(ピーシー)農法」

「PC(ピーシー)農法」とは言葉を話さない植物と対話しながら栽培する方法です。

人間が栽培する植物である作物を上手に作りこなすためには、いかに自然の原理原則に従って栽培するかがポイントになります。この自然の原理原則を統計的にピーシーセンターが独自な数字で捉え、いつでも栽培方法が再現できる数値栽培管理方法が「PC(ピーシー)農法」栽培システムです。

この栽培システムは、栽培予定圃場をピーシーセンターが永年の分析統計から開発した、精密土壌分析を行いその圃場の数値カルテを作成します。その数値カルテを基に「PC(ピーシー)農法」の数値栽培マニュアルに従い、土壌改良計画及び施肥設計を行います。

その後、「PC(ピーシー)農法」の栽培マニュアルに従い土壌改良及び施肥を行い栽培を開始します。作物の栽培期間中はPC(ピーシー)キットや糖度計、pHメーター、ECメーター、O.R.Pメーター等の簡易分析キットを使ってリアルタイムで作物の生育をコントロールしながら栽培をしていきます。

ですから、「PC(ピーシー)農法」を覚えると誰でも簡単に作物を栽培することができます。このように、「PC(ピーシー)農法」は非常に便利な農法です。

「PC(ピーシー)農法」の診断システム

(1)作物を健全に生育させるための条件

第1図 健全育成の条件作物を健全に生育させるための条件は第1図のとおり六つあります。

自然の原理原則にきちんと従って、以上の①~⑥までの管理をしっかり行ない作物にとって良い条件を作り出すことが栽培のポイントです。

作物は、大きく分けると2つのことを行なっています。一つは糖分などの炭水化物を作る光合成と、土壌から吸収した栄養分を使った窒素化合物を始めとする有機物の合成である。それらをちょっと説明すると、次のようになる。

① 光合成の仕組み:作物は太陽のエネルギーを使って根から養水分を吸収し、さらに葉から二酸化炭素を吸収して糖などの炭水化物を作り、それを基にして色々な有機化合物を合成しそれによって植物体を作り生長して行きます。

② 植物体を構成する化合物:植物体のほとんどを構成している元素は、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)で、その他に窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、硫黄(S)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ホウ素(B)、モリブデン(Mo)、ケイ酸(SiO2)、塩素(Cl)、ナトリウム(Na)etcなどです。
第2図 作物体を構成する化合物

この2つの光合成と栄養分の流れのポイントを数値で捉え、その数値を使い何時でもその数値に従って栽培を再現できる目的で開発した方法です。

(2)PC(ピーシー)農法の糖度計診断

第3図 糖度計診断・分析値の読み方と処方

PC(ピーシー)農法における糖度計診断の項目で、診断の項目を示すと、第3図のようになります。第3図のフローの糖度計診断によって、光、温度、水分、肥料、根の活力などの適正な管理が数字の活用によって分かります。糖度の見方は作物の葉の葉柄などの中心を直接糖度計で挟み込み汁液を搾り測定します。また、ウリ類などの汁液の比較的多い作物はカッターナイフなどで茎の部分を切り上げたり、切り下げたりして、浸潤してくる汁液を採取して測定します。

●測定をするサンプリング位置や測定する意味、値の扱い方

1、 葉の同化能力や養分の流れを見るための各葉部のサンプリング

○幼葉・・・作物の上位の未展開の包葉状態の葉柄

○成葉・・・新しく展開した新葉の2枚下の葉で完全に活動している葉の葉柄

○老葉・・・展開葉で病気などが発生していない新鮮な最も古い葉の葉柄

2、 養分の流れを見るための各葉部のサンプリング

○上位葉・・・測定しようとする主茎や枝の先端部の完全展開葉の葉柄

○中位葉・・・測定しようとする主茎や枝の先端部と1番基葉の中間部の完全展開葉の葉柄

○下位葉・・・測定しようとする主茎や枝の1番素の病気などが発生していない完全展開葉の葉柄

※葉の葉柄から続く葉脈で基から背先端までを3等分に分けて測定します。

※ウリ類などの巻きひげの基部から先端部までを3等分に分けて測定します。

※ウリ類などの汁液の比較的多い作物はカッターナイフなどで茎の導管部分を切り上げて、浸潤してくる汁液を採取して測定します。目的とする場所に対しての養分の流れを見るために測定します。

3、 果実の品質や果実への養分の転流を見る

○果実の頭部より縦に3等分し各々の中心部をさらに横にスライスしてその糖度を測定します。