野菜が癌と
野菜が癌と糖尿病を引き起こす
2014年11月3日
はじめに
皆さん、健康には菜食が一番良いと言って、ジュウサーで作って生野菜ジュースやスムージ、青汁をグイットと飲み干したり、生野菜サラダなんかを生でバリバリと食べたり、最近ではホウレン草もサラダで食べます。はたした、本当に体に良いのでしょうか?どうやら、そんな時代ではなさそうです。
響されます。
窒素は植物の必須元素
窒素は植物の必須元素であり、作物の生育・収量に関与する最も重要な成分です。その植物体内での形態は、アミノ酸やタンパク態など有機態と、無機態との二つに大別できます。無機態窒素の主要な形態として、硝酸(NO3-)、亜硝酸(NO2-)及びアンモニア態(NH4+)があります。
そのうち、亜硝酸は植物体内での集積は稀であり、亜硝酸が多量に存在する場合は、植物体に何らかのダメージがあります。
また、アンモニア態窒素の濃度も比較的低い濃度です。アンモニア態窒素も多量に存在する場合は、植物体に何らかのダメージがあります。
これらに対して硝酸は、作物の種類、品種、生育ステージ、施肥量、環境条件などの要因によって著しく変化し、ときにはかなりの高濃度で植物体内に集積することがあります。
ここでは、硝酸を作物の品質成分の一つとして位置づけ、検討を行ないます。硝酸含量が問題となるのは野菜と飼料作物の分野ですが、ここでは野菜を対象とした。尚、硝酸との関連のなかで、亜硝酸の問題についても一部考えてみます。
有害成分としての作物体の硝酸
作物体の硝酸含量が品質上問題となるのは、人体にとって有害成分だからです。以下には硝酸の害作用および毒性について説明します。1) 缶詰の錫溶出
食品に含まれる硝酸イオンは缶の腐食を促進して錫(Sn)を溶出し、この錫が食中毒発生の原因物質となります。
錫(Sn)溶出の原因になる硝酸は、缶詰の製造に用いられる調合水中に含まれる場合とトマトジュースのように加工原料自体に含まれる場合とが知られています。
2) メトヘモグロビン血症
硝酸が亜硝酸に還元され、この亜硝酸が血液中のヘモグロビンの二価の鉄を酸化させて三価の鉄へ変化させるため、ヘモグロビンは酸素結合能力を失います。このため、酸素の運搬能力を持たない血液が動物の体内を循環し、各細胞は酸欠状態となり、中毒症状を呈するようになります。これをメトヘモグロビン血症と言い、その原因物質は、亜硝酸です。
亜硝酸は、食品の放置や腐敗過程において生成する他、体内では口内細菌や腸内微生物による硝酸の還元作用で生成します。この反応は、比較的容易に起こるため、メトヘモグロビン血症の発生には、食品中の硝酸含量の多少が深く関係しています。
メトヘモグロビン血症の実例としては、19世紀末から知られている牛の硝酸塩中毒と、乳幼児の「ブルーベビー」が有名です。
牛など反芻動物の硝酸塩中毒は、草や飼料中の硝酸が胃内の微生物作用によって亜硝酸に変化するために発生します。
一方、いわゆる「ブルーベビー」は、胃液の分泌が少ない、3ヶ月未満の幼児の体内には、消化管中に硝酸還元菌相が存在し、硝酸が亜硝酸に変化するために発生すると言われています。
3)>ニトロソアミンの生成
これもメトヘモグロビン血症と同様に硝酸塩自体ではなく、亜硝酸塩によるものです。亜硝酸は魚介類などに広く分布する食品中の第二級アミンと反応してニトロソアミンを生成します。(R,R′:アルキル基)
(CH3)2NH + HNO2 → (CH3)2NNO
R〉NH(第二級アミン)+HNO2(亜硝酸)→R′
R
〉N-N=O(ニトロソアミン)+H2O
R′
このニトロソアミンは発癌物質として知られており、大きな問題です。
ニトロソアミンの生成条件
1) 亜硝酸とアミンが存在すると酸性側でニトロソアミンを生成します。
(肉や魚のたんぱく質に多い2級アミンと、ハム・ソーセージなどの食肉製品、野菜の漬物などに多い亜硝酸が結合)
2) ニトロソアミンの生成は亜硝酸濃度の二乗に比例します。亜硝酸濃度が高ければその生成も大きい。
3) 生成反応の至適(最適)pHは、ニトロソジメチルアミンでpH3.4、ニトロソジフェニルアミンではpH1.0と酸性側です。
4) アスコルビン酸、フェノール化合物(ピロカテコール、ピロガロール、没食子酸など)は生成反応を阻害し、チオシアン酸(人の唾液中に含まれる)、コンドロイチン硫酸ナトリウム中の未同定物質は生成反応を促進します。
これら生成条件から亜硝酸ナトリウム硝酸塩と二級アミンが存在する人の胃内(pH1~3)でニトロソアミンが生成し易いことになります。亜硝酸ナトリウム硝酸塩は生物の常在成分として5~10ppm程度存在するので、たとえ亜硝酸を添加しなくても食品中で、あるいは生体中でニトロソアミンは生成する可能性が大きい。
発癌物質は自然に存在
発癌物質は、合成色素や食品添加物のように人工的な物質だと思われていますが、実は大部分が自然の産物なのです。人の癌でもっとも重要な発癌物質はニトロソアミンという物質です。ニトロソアミンは、私たちの身のまわりにたくさんあります。極微量ですが食べ物にも含まれています。タバコにも多くのニトロソアミンが含まれています。それにも増して重要なのは、体内でニトロソアミンがつくられると言うことです。
それ自身には発癌性のない亜硝酸と二級アミンの食べ合わせで、体の中で自然にできてしまうのです。都合の悪いことに、胃液はニトロソアミンをつくるのにとてもいい条件が整っています。
亜硝酸の材料はどこにでもあります。生野菜、一夜漬けの漬け物などが材料となりますが、これらを制限しても意味はありません。口中の細菌によって硝酸から亜硝酸がいつまでもつくられるからです。
そして、その量は食物からとる量より多いのです。二級アミンは魚肉、魚卵に含まれます。研究が進むにつれて発癌物質と一口にいっても様々で、ピンからキリまであることがわかってきました。
私達は、ごく自然に発癌物質や癌の因子にとり囲まれて生活しているといっても、決して過言ではありません。
硝酸の一日許容摂取量
食品の安全性を示す指標の一つに、一日許容摂取量:ADI(acceptable daily intake)があります。人が一生涯にわたり毎日摂取しても健康上悪影響がないと推定される化学物質の最大摂取量のことです。ADI(一日摂取許容量)は、JECFA(国連食糧農業機関と世界保健機関の合同食品添加物専門家会議)によって定められ、各国に提供されます。
ADIは、体重1kg当り、1日に摂取できるmg数で示されています。例えば、体重50kgの人が摂取できる硝酸イオン量は、3.7×50=185mgとなります。この数値を、ほうれん草に当てはめて見ましょう。ホウレン草に含まれる硝酸イオン濃度は平均をとると3,560μg/gですから、mg/kgに換算すると3,560mg/kg(ppm)となります。したがって、以下のような計算式になります。
3,560mg/kg÷185mg=19.24 1,000g(1kg)÷19.24=51.98g
となります。
つまり、体重50kgの人が一日許容量は0.052kg(52g)と言うことになります。そのほかの硝酸の入った食品には、一切食べられないということになります。
私は体重が78kgですから、私の食べられるホウレン草の一日許容量は81gと言うことになります。
肥料過多で日照不足の畑で栽培された、ホウレン草は10,000ppmにもなります。このホウレン草の私が一日当たり食べることができる許容量は29gと言うことになります。私はこのような硝酸が10,000ppmもあるホウレン草は敬遠します。
ニトロソアミンは遺伝子の塩基配列を変える
硝酸塩の多い危険な生野菜を知らない間に摂り過ぎていると、体に色々な問題を引き起こします。
硝酸塩は、そのままでは発癌性を示しませんが、硝酸塩は胃の中で亜硝酸(HNO2)に変化した後、体内の物質(たとえばメチルグアニン)と反応して、強力な変異原物質であるニトロソアミン類(1-メチル-1-ニトロソグアニジンやメチルニトロソウレア)になります。
ニトロソアミン類の特徴は、離脱しやすいメチル基(-CH3)を分子内に持つことです。
つまり、ニトロソアミン類は他の分子にメチル基を付加することができます。このような性質を有する分子(ニトロソアミン類など)をアルキル化剤と呼ばれています。
ニトロソアミン類のようなアルキル化剤は、遺伝子の構成材料であるDNA分子にメチル基を付加します。そうなると、DNA分子の塩基配列を狂わせてしまいます。
私たちの肉体内では、常時、細胞の複製が行われていますが、その過程を制御する設計図に遺伝子があります。
硝酸をいつも多量に摂取していると、常に体内にニトロソアミン類のようなアルキル化剤が多量に存在することになります。アルキル化剤はDNA分子の塩基配列を狂わせるため正常な細胞の複製ができなくなり、時としては癌細胞になったりするわけです。
遺伝子の塩基配列が変わると体質も変る
また、体内のアルキル化剤が増加することにより、DNA分子の塩基配列を狂わせ正常な細胞の複製ができなくなると、根本的な治療が難しい花粉症やアトピー性皮膚炎、喘息などのアレルギー症状や正常眼圧でなくなる緑内障や貧血状態や膵臓、肝臓、腎臓、甲状腺などの体の機能の低下を招いてしまいます。細胞分裂の時に起こるコピーミス(突然変異=元の細胞と違う物ができてしまう)の回数は、人間の一生では10億~100億回起こる計算になるそうです。
逆に、癌の研究者の立場からすると、どうしてこんなに癌や糖尿病が少ないのか不思議だそうです。それほど人間にはすばらしい治癒能力、治癒システムが備わっているのです。
1980年代、硝酸がたっぷり含まれた野菜の日持ちをよくするため、低温で出荷する冷却システムが全国的に完備していきました。この結果、硝酸がたっぷり含まれた野菜が、冷やされたため野菜の酵素活性が失われ、今度はもっとすごい亜硝酸たっぷり含まれた野菜がスーパーに並ぶ割合が増えてくると共に、花粉症やアトピー性皮膚炎、喘息どのアレルギーも増えてきています。
漢方薬に使う薬草は殆ど有機栽培が多く、未熟な堆肥が多く必然的に硝酸塩や亜硝酸塩が非常に多くなってきています。
漢方薬にも硝酸
さらに、漢方薬を使った東洋医学を本気で勉強していない医師や薬剤師が処方している不幸(誤った処方は毒になる)な薬が多いのに、今後は、硝酸塩濃度の高いエキスを飲む不幸が重なります。これでは、東洋医学の証を念入りに勉強しても、薬になるはずの処方すら、毒になってしまいます。漢方薬は昔の人が、経験を基に五行に配当して配分を決めた訳ですから、薬草の栽培が変化すれば、当然、効果や配分も変更しなければならないはずだと思います。
糖尿病もDNA分子の塩基配列の狂いか?
ここで話は変わりますが、糖尿病には、1型糖尿病と2型糖尿病があります。1型糖尿病の原因は、本来自分の体を外敵から守る免疫系が、インスリンを分泌する膵臓のベータ細胞を異物と判断して、誤って破壊することから発症します。その原因は正確には分かっていませんが、遺伝、自己抗体、ウイルス、食品(牛乳や離乳食を始めるタイミング)、酸素のフリーラジカル説などがあります。
体内のアルキル化剤が増加することにより、DNA分子の塩基配列を狂わせ正常な細胞の複製ができなくなると、インスリンを分泌する膵臓のベータ細胞を異物と判断して、誤って破壊してしまう免疫系が出来てしまうわけです。
消化しなくても吸収される糖分は酵素の働きを狂わせる
2型糖尿病の原因は、インスリンが十分に分泌できない、あるいはインスリンはあるけど十分に作用しないという状態ですから、1型糖尿病とは別の原因です。研究者は遺伝、年齢、肥満、生活習慣を挙げています。例えば、ジュースやお菓子類など、酵素の働きがなくても消化吸収される糖分を多く摂取すると、体の中の酵素は、食べ物が口に入る時から口の中の酵素が働き、胃では胃の酵素が働きます。
このように、酵素は全て連動しているため、酵素の働きがなくても消化吸収される糖分は、小腸の糖分センサーが働かないため、小腸の中の糖分が多くなります。肝臓でのグリコーゲンに変化させる酵素の能力がオーバーします。
そうなると糖分のグリコーゲン化ができなくなります。そのグリコーゲン化ができなくなった糖分が毛細血管やリンパ管網に運ばれ、血液中の糖が多くなる現象が糖尿病なのです。
つまり、インスリンも酵素ですので、体内酵素として連動しているため、働きが悪くなるわけです。
運動をして太らないことが大切
年齢や生活様式(運動不足や肥満)が2型糖尿病の引き金になっているようです。2型は遺伝との関連がとても強い病気です。ですから、体内のアルキル化剤が増加することにより、DNA分子の塩基配列を狂わせ正常な細胞の複製ができなくなるリスクは加齢と共に高くなります。さらに、糖尿病には、1型、2型の他に、妊娠糖尿病というのがあります。妊娠糖尿病の原因は、妊娠によるホルモン変化や、遺伝、肥満が有力な原因です。
発育する胎児に栄養を供給する胎盤は色々なホルモンを多量に分泌します。これらのホルモンは胎児には必要ですが、母体のインスリン抵抗性をも高めるものがあります。
遺伝としては、研究者は2型糖尿病と同じではないかと考えています。母体のインスリン分泌能が十分でないと血糖が高くなってしまいます。糖尿病予備群程度の血糖でも治療の対象になります。肥満のある妊婦に多くみられます。
硝酸の話に戻りますが、欧米人や日本人にくらべれば大量の野菜を摂取する韓国人においては、体内で大量の亜硝酸塩が作られ、蛋白源として摂取する魚や肉に含まれるアミンが主として胃内において反応してN-ニトロソアミンが生成されています。
食物として摂取する硝酸塩の89.9%は野菜からの由来です。体内の亜硝酸塩の約93%が口腔内で硝酸塩から生成されたものです。つまり、食品として摂取するN-ニトロソアミンの数十倍から百倍が生体内で亜硝酸塩とアミンから合成されています。
結局野菜類の硝酸塩を減らすことが、N-ニトロソアミンの生成を防ぐ最大の対策であり、つまりは、農業のありかたも改善していかなければならない広範囲な問題なのです。
N-ニトロソアミンの生成条件を挙げましたが生成を阻害する方法も研究されています。
天然のVCとVEやポリフェノール類がN-ニトロソアミンの生成阻害
アスコルビン酸やポリフェノール類が亜硝酸塩を分解したり、N-ニトロソアミンの生成を阻害します。食事とにも赤ワインを飲んだり、日本茶を飲む習慣は合理的な意味があります。また、食事と同時か食事の後のビタミンCとビタミンEを飲むことも、N-ニトロソアミンの生成を阻害する効果があります。